1. t 検定
- 1.1. t 検定の目的
- 1.2. z 検定と t 検定

2. 1グループの t 検定と有意水準
- 2.1. 手計算による t 検定
- 2.2. R による t 検定

3. EXERCISE
- 3.1. EXERCISE 1
- 3.2. EXERCISE 2
- 3.3. EXERCISE 3

1. t 検定

1.1. t 検定の目的

1) 標本平均が特定の値かどうか調べる

2) 二つの異なるグループの平均が異なるかどうか調べる

1.2. z 検定と t 検定

2. 1グループの t 検定と有意水準

2.1. 手計算による t 検定

母平均 μ = 5.5 の正規母集団から、10 個のデータ1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10 を標本として抽出したとする。

ここで、標本サイズ 10 から得られた標本平均は 5.5 であるが、母平均は 5 なのかどうか確かめたいとする。
これを確かめるために \(t\) 値が必要となる。

t 検定の手順

  • 帰無仮説の明示 (null hypothesis): \(\mathrm{H_0}\)
  • 対抗仮説の明示 (alternative hypothesis): \(\mathrm{H_1}\)
  • t 値を計算する
  • 帰無仮説を棄却する臨界値 (critical values) を特定する
  • t 値が棄却域内かどうかを確かめる
  • 結論
  • 具体的な検定プロセス

    次に \(t\) 値を計算する。
    \(t\) 値は、次の式で求めることができる。

    \[T = \frac{\bar{x} - μ_0}{SE} = \frac{\bar{x} - μ_0}{u_x / \sqrt{n}} .\]

    不偏標準偏差 \({u_x}\) は不偏分散 (unbiased variance)の平方根であるから、まず、不偏分散を求める。

    \(x\) の不偏分散 \(u_x^2\) は次の式で計算できる:

    \[u_x^2 = \frac{\sum_{i=1}^n (x_i - \bar{x})^2}{n-1}.\]

    これより、\(x\) の不偏標準偏差 (unbiased standard diviation) \(u_x\) 3.03 が得られる。

    母集団の平均は 5 なのかということを確かめたい。
    → 母集団で推定したい値 \({μ_0}\) に 5 を代入して、次の \(t\) 値を得る。

    \[T = \frac{\bar{x} - μ_0}{u_x / \sqrt{n}}.\]

    \[ = \frac{{5.5} - 5}{3.03 / \sqrt{10}}.\]

    \[ = 0.522\]

    点推定(区間推定に関しては「母平均の推定と信頼区間」を参照)

    ここで得られた 0.522 という \(t\) 値を使って 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10 という標本サイズ 10 のサンプルから、母集団の母平均が 5 であるという仮説が妥当かどうかを推定する。

    \(t\) 分布表

    これを図示すると次のようになる。
    次の図は、自由度 9 の \(t\) 分布における 5% 有意水準(α = 0.05)の 2 つの棄却限界値 (critical value) -2.26 と 2.26 を示している。

    有意水準と有意確率
    有意水準 (significance level)

    有意確率 (significance probability) = \(p\) 値 (p-value):

    2.2. R による t 検定

    # 標本サイズ 10 のサンプルに score という名前をつける
    score <- c(1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10)
    # 帰無仮説(母平均 = 5) を t 検定する
    t.test(score, mu = 5)
    
        One Sample t-test
    
    data:  score
    t = 0.52223, df = 9, p-value = 0.6141
    alternative hypothesis: true mean is not equal to 5
    95 percent confidence interval:
     3.334149 7.665851
    sample estimates:
    mean of x 
          5.5 

    3. EXERCISE

    3.1. EXERCISE 1

    母平均 \(μ\) = 5.5 の正規母集団から、10 個のデータ1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10 を標本として抽出したとする。
    ここで、標本サイズ 10 から得られた標本平均は 5.5 であるが、母平均は 3 なのかどうか R を使って確かめなさい。

    3.2. EXERCISE 2

    早稲田大学政経学部で携帯スマホ購入者 10 人の平均購入価格を調べたところ、次の統計量を得た。

    ・平均購入価格は 65,000 円。
    ・標本標準偏差は 10,000 円。

    母集団における携帯スマホの平均購入価格は、50,000 円より高いといえるか?
    有意水準 5% で検定しなさい。 (電卓と\(t\) 分布表を使って手計算で行うこと)(40点)

    3.3. EXERCISE 3

    早稲田大学の A 君は、大隈商店街で喫茶店「ルオー」を開いた。A 君は「ルオー」の売上額を正規母集団から観測されるデータをみなし、その母平均μを代表的な売り上げとして 推定しようとした。毎日の売り上げ総額を示す伝票の中からランダムに8 枚を抜き出して みると次のような数字が出てきた。

    45, 39, 42, 57, 28, 33, 40, 52(単位は万円)

    Q3-1:(20点)
    このサンプルを使って、「ルオー」の一日あたり売上額の母平均 \(μ\) の 95% 信頼区間を求めなさい。(電卓を使って手計算で行うこと)

    Q3-2:(20点)
    母集団では一日あたりの「ルオー」の売り上げが 50 万円である、という仮説を検定しなさい(電卓と\(t\) 分布表を使って手計算で行うこと)

    Q3-3:(20点)
    上記の検定を R を使って \(t\) 検定した結果を示しなさい。



    References



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