やさしいミクロ経済学入門リンク集

このページの目的

丹野が書いてきたミクロ経済学の講義ノートの総合リンク集です. 各項目別にまとめており書き換えた内容は逐次新しい講義ノートにリンクを変えて行きます. 新しい内容が加われば項目を増やしていきます. 一度に大量に学ぶよりはこのように項目に分けた方が学ぶ上での見通しが良くなるでしょう. やさしい経済学入門やさしい経済数学入門やさしい国際経済学入門もご覧下さい.

ミクロ経済学のお勧めテキスト

 お勧めのミクロ経済学のテキストを紹介します.漫画とかざっくばらんな書籍も出版されていますが,著者がしっかりしている大学での勉強に相応しいテキストを選びました.

入門書編

 このレベルですと経済学入門と重複している部分があります.最近はマクロ経済学もミクロ的な基礎を重視します.よって,入門レベルでは資源の希少性,インセンティブ,機会費用,限界概念などのミクロ的な事項をしっかりと学ぶと良いでしょう.

伊藤元重 (2004)『はじめての経済学〈上〉 (日経文庫) 』
テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」でおなじみの伊藤先生の入門書です. 他にも多数の教科書を書かれています. 語り口がクリアで易しい雰囲気です. 何よりも新書でお値段が安いので経済学をこれから学ぼう,しかし時間やお金が無いという人にはうってつけです. 同じ伊藤先生の新書の下巻『はじめての経済学〈下〉-日経文庫』もそろえて読みたいですね!
岩田規久男(1994)『経済学を学ぶ(ちくま新書)』
 日本銀行副総裁の岩田規久男先生の本です. この本も伊藤先生の本と同様とても良いです. 信念のある歯切れのある文体で読む方もぐいぐい引き寄せられます. また,多くの入門書を執筆されています. この本を読んで興味を持ったら他の本もおすすめです.
ティモシー・テイラー(1994)『スタンフォード大学で一番人気の経済学入門-ミクロ編-』
 米国のスタンフォード大学の教科書です. 大学のテキストの標準的なトピックスがならんでいます. 翻訳もこなれておりグラフや数式を多用せず,米国らしい入門者にも易しい内容になっています. 直ぐに読める内容だと思います.
新井明, 新井紀子, 柳川範之 (2005)『経済の考え方がわかる本 (岩波ジュニア新書)』
 数学者の新井夫妻と東京大学の柳川先生の共著です. 少し異色な入門書ですが,著者達が工夫を凝らして易しい内容になっています. 柳川先生は柳川範之 (2014)『東大教授が教える独学勉強法』等の独学勉強法の本も書いています. 経済学の本を読んで分からなかったり難しいと感じたらこのような勉強法の本を読んでみると効果があるかも知れません.
野口旭(2002)『ゼロからわかる経済の基本(講談社現代新書)』
 野口先生も沢山の入門書や啓蒙書を出しています. 他の本も含めて読みやすいです.
小塩隆士(2002)『高校生のための経済学入門 (ちくま新書)』
 小塩先生のこの本もおすすめです. 高校の「政治経済」よりも少し難しめですが,政治経済をきちんと理解する事ができればミクロ経済学入門としては合格です.

 リストは経済学入門のようになりました. この入門レベルできちんと経済学の全体像をつかみつつミクロ経済学は何かを学び取って欲しいと思います.

初級編

 初級編は内容の豊富さやミクロ経済学が扱っている題材の豊富さから米国の教科書の独壇場という感があります. 教科書執筆の時間的余裕や日本の出版社のページ数を制限する要請から致し方ない気もします. しかしながら,2冊紹介している日本人の書いた教科書にも光る所があります.

N.グレゴリー マンキュー(2014)『マンキュー入門経済学(第2版)』
 マンキューの翻訳です.下の本と合わせて原著では一冊の本になっています. 入門ですので経済学の基本的な考え方と基本的な需要と供給を主に扱っています.
N.グレゴリー マンキュー(2013)『マンキュー経済学-I-ミクロ編(第3版)』
 マンキューのミクロ編の翻訳の第3版です. 入門と重複する所が多いですが,租税,独占的競争,勤労所得・不平等までミクロ経済学の幅広い適用分野を学べます.
ジョセフ E.スティグリッツ,カール E.ウォルシュ (2012)『スティグリッツ入門経済学(第4版)』
ノーベル賞受賞者のスティグリッツ先生の教科書です. マンキューよりも少しレベルが高いです. ジョセフ E.スティグリッツ,カール E.ウォルシュ (2013)『スティグリッツ ミクロ経済学(第4版)』も合わせて読むと理解が深まるでしょう. マンキューもスティグリッツも重複があるものの入門とミクロを合わせると千ページに近くなります.
ポール クルーグマン, ロビン ウェルス (2007)『クルーグマン ミクロ経済学』
ポール クルーグマンもノーベル賞受賞者です. 奥さんとの共著です. 最初に事例が出てきて経済学の概念を説明していきます. とても面白いし才気走った筆のさえを感じますが,初学者がピンとくるかどうか?
竹中平蔵,真鍋雅史,小野展克(2015)『ハバード経済学-準備体操編-』
最近出た米国産のテキストです. マンキュー,スティグリッツ,クルーグマンに比べると経済学の切り口の鋭さは落ちます. しかし,豊富な日本の事例やカラーでとても見やすいテキストです. 超有名経済学者のテキストに合わなかった人は是非とも検討してみる価値はあります.
倉沢資成(1988)『入門 価格理論』
米国の翻訳の教科書ばかり紹介していますが,日本人のテキストでも良い本はあります. 倉沢先生のこの本は説明が簡潔で卑近な例が豊富にあり分かりやすい. 翻訳調のテキストに慣れない人はぜひ手にとって検討すると良いでしょう.
八田達夫(2013)『ミクロ経済学Expressway』
八田先生のこの本はミクロ経済学の政策面への応用に力点を置いています. 初等的な道具で様々な事象をミクロ経済学が解明する力を味わって欲しいと思います.

講義ノート集(pdf)

  1. 経済問題と経済学
    1. 経済学入門(PPT)
    2. ライフプランとお金
    3. インセンティブと市場経済
  2. 需要と供給
    1. 需要と供給
    2. 需要・供給曲線のシフト
  3. 消費者の選択
    1. 消費者の選択,効用,予算制約
    2. 所得効果と代替効果
    3. 加重限界効用均等の法則
  4. 企業の利潤最大化
    1. 企業の目的は利潤最大化
    2. 様々な費用曲線
    3. 利潤の最大化条件と限界費用
    4. 供給曲線の導出
  5. 競争均衡と経済厚生
    1. 余剰分析と一般均衡
  6. 国際貿易と為替レート
    1. 貿易の利益と絶対優位の原理
    2. 貿易政策
    3. 経済厚生と関税
    4. 為替レートの決定

ミクロ経済学(ppt)

  1. ミクロ経済学とは何だろうか
  2. 機会費用と見えざる手
  3. 価格と需要
  4. 供給と均衡
  5. 需要供給分析の応用
  6. 価格規制と価格弾力性
  7. 企業と資金調達

不完全競争(産業組織論)編(ppt)

  1. 競争市場の効率性
  2. 独占企業について
  3. 独占弊害,価格差別
  4. 規制
  5. 二部料金とバンドリング
  6. 垂直的取引
  7. クールノー競争
  8. 続クールノー均衡
  9. 独占的競争
  10. 続独占的競争
  11. 独占的競争と完全競争

ミクロ経済学発展編

  1. 市場メカニズム
  2. 需要と供給−代替財と補完財−
  3. 無差別曲線
  4. 限界代替率
  5. 無差別曲線を用いた場合の需要曲線の導出
  6. 代替効果と所得効果
  7. 生産関数と費用関数
  8. 様々な費用曲線
  9. 長期と短期の生産の違い
  10. 労働需要
  11. 等量曲線と技術的限界代替率
  12. 競争均衡の効率性と純粋交換経済

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